硫黄島の手紙をブッシュ氏はどう見るのだろう 小松久子 杉並区議会議員
活動報告バックナンバー バックナンバー一覧 ホーム

印刷用ページ 印刷用 (別ページで開きます) 戻る戻る   進む進む
2007 年 1 月 15 日    
硫黄島の手紙をブッシュ氏はどう見るのだろう
〜敵国の視点から描いた映画〜
暮れから新年にかけてみた3本の映画、『麦の穂をゆらす風』『武士の一分』『硫黄島からの手紙』について。いずれも話題の映画です。

『武士』は貧しくつましい暮らしと下級武士としての日常がていねいに描かれたところがいかにも山田洋次監督のしごと。視力を失った木村拓哉の主人公が木刀を振るう場面で背中に必死さが表れていてなかなか。評判どおり期待を裏切らない演技で、新たなファンを増やすのに違いないと思いました。

『麦の穂』と『硫黄島』はどちらも戦争映画というだけでなく、ケン・ローチとクリント・イーストウッド監督の視点に共通するものがあります。自分の国がかかわった戦いを、徹頭徹尾相手の敵国の側から描いている点です。

たとえてみれば日中戦争の映画を、全員中国の俳優を使って全編中国語で、実在した中国人をモデルに中国の物語として「日本人が」制作するようなものです。両監督とも自国の友人を失うことになったのではないでしょうか。

創造活動するということはいつか必ず自分をさらけ出すときがあるもの。政治的な問題を扱う場合、そのときどこに軸足を置きどこまで自分を追い詰めるか、その覚悟のほどが作品の力となって表現性を高めるように思います。

戦争の時代、青年の成長と兄弟のきずな、それらを巻き込んで容赦なく進行する歴史の凄惨、『麦の穂』。『硫黄島』の渡辺謙は役の造形がすばらしく、これほど魅力的に人物像を演じ上げたのは確かに一流の俳優と感心しました。

このラストシーンが印象的。島で戦死あるいは自爆して逝った兵士たちからの届かなかった手紙の束です。島で書かれたまま、島の外に出ることのなかった手紙を、イラクへの派兵増員を決めたブッシュ氏はどう見るでしょうか。

『硫黄島』がイーストウッド監督のイラク戦争批判だろうということは想像がつきます。もし大統領がこの映画を正視できるとしたら相当な鈍感だと思う。



バックナンバー 最新20
825 森田明美さん「子どもが育つのに専門家なんていらない」
821 自転車の走る町、川のある町はいい
819 ムーティの『オテロ』 オペラワールド至福のとき
818 フィレンツェの休日は雨もまたよし
813 ドン・ジョヴァンニよ、地に堕ちるまでは誇り高くあれ
811 オリンピックの熱狂を離れて音楽祭へ
89 終戦の日の父の日記
86 戦争を考える夏 実写版『火垂るの墓』をみる
84 フランス発のフェミニズムオペラ『アリアーヌと青ひげ』
82 藤田英典さん「子どもの夢と誇り大切にしない教育は失敗」
729 江戸川のプラごみ処理施設「江環保エコセンター」を見学する
724 遺伝子組み換え作物は食糧難を救わない
722 林や畑もエコスクール
717 住基ネット非通知希望者の情報が気になる
714 2050年に自然エネルギーの割合を半分にまで増やす方法
712 「外環ノ2」はグリーンベルトにはならない
710 市民の合意で街なみをリニューアル 松本市の場合
76 医者は職員にして職人 経営安定に向け奮闘中
72 出会ってつながる 2008草の根交流集会
629 転落死事故の教訓残し 第2定例会が閉幕
625 西荻の「トトロの樹」保全に最善の努力を

バックナンバー一覧へ 一覧へ戻る ホームへ ホームへ戻る 戻る戻る   進む進む
当サイトの著作権は小松久子 杉並区議会議員 にあります。