国旗にまつわる話 かかってこなかった電話 小松久子 杉並区議会議員
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2005 年 4 月 4 日    
国旗にまつわる話 かかってこなかった電話
〜NYの学校ではA〜
今回は米国の国旗、星条旗にまつわるエピソードを。

教室に星条旗を飾るかどうかは担任教師の個人的判断(場合によっては親の要望もあったかも)によるようでした。星条旗のあるクラスでは、朝一番に全員が旗に向かって立ち、右手を左胸に当てて「(星条旗への)忠誠の言葉」を声を合わせて暗唱するのですが、しないクラスもありました。

息子が中学のとき、学校から帰るなり「今日か明日、ミスターMから電話があるよ」と言うのです。みんなが「国旗に忠誠」をやっているときに自分だけ立たずにいたら今日ミスターMに見咎められ、「みんなと同じようにできないのならお母さんと話さなければならない」と言われたのだと。

彼がなぜ「国旗に忠誠」をやらなかったのか、座ったままでいたのか聞くと、「だって日本人だもん」と言います。だからこれまで一度も、立ったこともなかったと。そんなことは知りませんでした。でも知った以上、彼を守らなければ。

――息子のとった行動は彼自身の意思であり、私は母親としてそれを尊重したいと思います。国旗に忠誠を誓うかどうか、彼自身が決めてもよいのではないですか? まして彼は日本人です。暴力を振るったわけでもないのに、彼のしたことは非難されるべきことですか? 自分の行動を自分で決める自由がこの国にはあるものと私は思ってきました。私を失望させないでください。――

これくらいのことは言えるように「英作文」して紙に書き、いつ電話がかかってきてもいいように練習もして、電話のそばにメモを置きました。

こうして準備を調え待ったのですが、電話はかかってきませんでした。息子が言うには、その後「立つぐらいならいいと思って」立つことにし、ミスターMから何か言われたこともない、とのこと。彼なりに学んだことがあったようです。

東京では去年に続いて今年も、卒業式で「立たなかった」「歌わなかった」ことを理由におおぜいの教師が処分を受けています。その不条理、理不尽さは子どもたちに大きな教訓を残すのだろう、と思うしかありません。

写真は (上)NYで子ども達が通っていた学校
    (下)学校の体育館での劇 1986年


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